もちあい放れにつけ

もちあいとは

   「もちあい」とは為替相場が上にも下にも大きく動けず、一定の範囲で往来を繰り返す状態を言います。売りと買いの勢力が均衡しているわけです。この状態はチャンスの芽を含んでいることが多いので、もちあいの分析はFXで利益をあげていくためには欠かせない視点です。なお「もちあい」は「保ちあい」と書き、たまに見かける「持ち合い」は誤用です。

もちあいのパターン

   もちあいにはいくつかのパターンがあります。図@のような横這い状態を『フラグ型もちあい』とか『ボックス型もちあい』と言い、典型的なもちあいの形です。青い線を上値の抵抗線、赤い線を下値の支持線と言います。図ABはボックスの上値と下値が徐々に切りあがる、または切り下がる形で、『上昇フラグ型、下降フラグ型』と言います。ただ、もちあいと呼べるのは傾斜がかなり緩やかな場合に限られます。図Cは値動きの幅が徐々に小さくなっていく型のもちあいで、その形状から『ペナント型もちあい』とか『三角もちあい』と言います。チャート上は非常に重要な形です。

ボックス型もちあい 上昇フラグ型もちあい
下降フラグ型もちあい ペナント型もちあい

もちあいの重要性

   もちあいがチャート上に現われた時は注目に値します。その理由を今からご説明しましょう。まず為替相場は大きく分けると二つの局面に絞られることを理解してください。

  1. 上昇圧力と下降圧力のどちらかが強い状態。つまりトレンドがある状態です。その時々のファンダメンタルズや材料に反応しながら、相場が妥当な水準を探して動いている局面です。
  2. 上昇圧力と下降圧力が括抗している状態。つまりトレンドのない状態です。もちあいはこの状態で、ひとまず妥当な水準を見つけて落ち着いた局面です。

   FXでは二つの局面の違いを認識することが重要なことです。というのも、1にある時や1から2に変化した時は売買の判断が難しいのに対して、2から1に変化した場面はチャンスと考えられるからです。

   為替相場が1にあるとき、さらにトレンドが続くのか反転するのか、あるいはそれらがどの程度の規模になるのか、予想することは困難です。動きの背景にある要因がどの程度影響力を持っているのか判断できないからです。しかし、拮抗状態が壊れて静から動へ変移したときは、ひとまずその流れに乗ることは悪くない選択です。どの程度かは分からないものの、水準訂正が起こることが期待できます。そして、もちあい期間が長ければ長いほど、ファンダメンタルズの変化や材料が大きいほど、水準訂正の規模は大きくなります。

もちあい放れは絶好のチャンス

   もちあい状態が崩れ、相場が上下どちらかに放れたときはチャンスとなることが多く、チャート上でも注目すべきポイントになります。前回で解説したブレークアウトの一つですが、中でも最も重要なパターンと言えるでしょう。昔から「放れにつけ」は有名な相場の金言です。

   上図の四つのパターンはどれも注目に値しますが、特にCのペナント型は目を離さないようにしましょう。徐々に動きが小さくなっている場合、相場には次のトレンドに向けたエネルギーが蓄積されています。そこへ予想外の材料がでると一気に動意づきますから、絶好のチャンスとなります(参考記事:三角もちあい)。なお、上図では全て上放れるケースになっていますが、下放れるケースも同様に注目ポイントです。

もちあい放れとファンダメンタルズの変化

   もちあい放れは短期取引にも長期取引にも有効です。分足や時間足ベースの短期取引の場合は、もっぱらフォーメーション分析でそういう場面を探します。材料で判断できる場合もありますが、ファンダメンタルズ分析よりもテクニカル分析が有効なことが多いものです。

   一方、長期的な取引ではフォーメーションとともにファンダメンタルズ分析も重要です。もし長い間もちあいだった相場が、ファンダメンタルズの変化を伴って放れを起こした場合、絶好の出動機会となります。ただ、そうした局面は日常的にあるわけではありません。年に何度かある程度でしょうか。本当に大儲けできる局面は数年に1度かもしれません。もしそういう局面に遭遇したら、安易に利食いせず貪欲に利益を伸ばしたいものです。

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