VIX指数(恐怖指数)

VIX指数とは

   VIX指数(Volatility Index)は米国の代表的な株価指数であるS&P500の予想変動率を示す指標です。つまり、この先の株式相場が大きく変動するのか穏やかなのか、米国の市場参加者がどう見ているかを数値化したものです。具体的にはシカゴ・オプション取引所(CBOE)がS&P500オプションのインプライド・ボラティリティーをもとに算出・公表しています。CBOEが先物として上場しているので、実際に取引することも可能です。

   ボラティリティとは相場変動率のことで、オプション価格(プレミアムと言います)の重要な決定要素です。ボラティリティには2種類あり、過去の相場をベースに算出されるヒストリカル・ボラティリティーと、オプション価格から逆算して導きだされるインプライド・ボラティリティーです。前者は実績値、後者は予想値と言えます。VIX指数はインプライド・ボラティリティーから算出されるので、市場参加者の予想を表しているわけです。権利行使期限が30日のオプションをベースとしており、比較的短期の予想ということになります。

VIX指数

恐怖指数

   VIX指数は単にボラティリティを示すだけでなく、投資家の不安心理を表す指標としても知られています。相場の下落局面で上昇することが多いからです。そのため恐怖指数という別名があります。

   一般に、オプションの価格は相場が上昇している時よりも、下降している時の方が高値になる傾向があります。市場参加者が相場の変動率を高く予想するようになるためです。VIX指数の上昇は、市場参加者が悲観的な見方をしていることを示唆しているわけです。相場が底値の見えない急落商状となって投資家が恐怖に包まれている時、VIX指数は跳ね上がります。過去の最高値はリーマンショックが起こった際(2008/10)の89.53。その他、ロシア危機(1998/8)の45.74、アメリカ同時多発テロ(2001/9)の43.74、エンロン不正会計事件(2002/7)の45.08などが上位を占めます。最低は9.48ですが、一桁台に下がることは稀です。

   一方で、低水準が長く続く場合にも注意が必要です。市場の警戒感が緩みすぎている可能性があるからです。VIX指数が10?15ポイントのレベルで安定しているような時は、市場が安心感に浸っている状態であり、予想外のニュースなどが出ると大きな動きになる可能性があります。

VXV指数とVXST指数

   VIX指数には異なる計算期間(権利行使期限)のバージョンが存在しています。VXV指数とVXST指数です。VXV指数は3ヶ月(93日)もの、VXST指数は9日もののオプション価格から算出されます。VIX指数に比べて知名度は落ちますが、VXV指数には次のような使い方があります。それは「VIX指数÷VXV指数」の値を見るというもの。通常は概ね0.8〜1.02の範囲で推移しており、株式相場が値下がりすると比率は上昇、相場が値上がりすると比率は下落します。比率が1.02前後になると相場が底入れする傾向があるのです。下図は約2年間のS&P500(日足)ですが、そうした動きが見て取れると思います。

VIX/VXV指数

VIX指数と為替相場

   VIX指数はFXでも有用な指標です。リーマンショックの時はVIX指数が跳ね上がる一方、日本円に買いが殺到しました。日本は世界一の債権大国であり、円は安全性が高い資産とみなされていたためです。それほどの歴史的イベントではなくても、為替相場にとってVIX指数は参考となる指標です。下図は約1年間のヨーロ円の日足ですが、VIX指数が急激に上昇した時は円高ユーロ安になっており、買いのチャンスと重なっています。また中長期的にはVIX指数が30や40を超えるような場面では、高金利通貨などを買うチャンスとなる可能性が高いでしょう。

VIX指数&EURJPY

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