ローソク足の見方

ローソク足とは

   ローソク足は、始値、高値、安値、終値の四つの値段(これを4本値と言います)を使って相場の動きを表すチャートです。4本値の関係は右図のようになっており、始値と終値の間は太く示して実体部分と呼びます。最高値と最安値をひげ(または影)と呼ばれる線で示します。

ローソク足

   始値よりも終値が高い場合は白抜きに、始値よりも終値が安い場合は黒塗りにします。白線は上昇を示し、陽線と呼びます。黒線は下降を示し、陰線と呼びます。カラーで表示する場合も多いのですが、その場合は少し注意が必要です。日本(中国も)では陽線を赤、陰線を青で表します。しかし欧米ではこの逆で、陽線を青または緑、陰線を赤で表します。日本では何となく『喜ばしきことは赤』というイメージがありますが、欧米では信号の色と同じで、青=安全・ポジティブ、赤=危険・ネガティブというイメージが先行するようです。

為替相場のローソク足

   為替相場は24時間取引であるため、始値と終値の定義が明確ではありません。FXでは一般的に、ニュージーランドの午前9時の相場が始値、ニューヨークの午後5時の相場が終値に相当しますが、相対取引であるため、厳密なものではありません(参考記事:相対取引と取引所取引)。

   以上は日足を前提にしたお話しです。週足(月足)の場合、始値については月曜(月初日)の始値を採用する場合が一般的ですが、月曜(月初日)の終値を採用する場合もあり、一様ではないのが現状です。

ローソク足の形状と見方

   ローソク足の形状にはいろいろなパターンがあり、そこから相場の状況を読み取ることができます。最も普通に見られるのは、左図のように実体があって上ひげも下ひげも付いている形。しかし中には実体やひげがない形状も見られます。以下に、注目したいローソク足の形状とその読み方を整理してみました。ただし、これらは傾向を説明しているだけで、だましとなることも多いので、参考程度にとどめておいて下さい。

●上ひげも下ひげもない陽線

大陽線始値がその日の安値で、終値がその日の高値というパターン。実体部分が長いほど、上昇の勢いが強いことを示唆しており、特に目立って実体部分が長いものを大陽線と言います(短いひげがあるものを含む場合もあります)。

●上ひげのない陽線

上ひげのない陽線1上ひげのない陽線2始値よりも安くなる場面はあったものの、その日の高値で引けるパターンです。左図のように下ひげが短く、実体部分が長いと、上昇の勢いが強いことを示唆しています。また、右図のように下ひげが長いパターンは、底値圏や押し目買いの好機となる場面でよく見られます。当初は売りが先行したものの、その後、形勢が変わって上昇に転じたことを示していますが、例えば、下降相場が下値のめどに達し、売り方が買い戻しにかかった場合などに現れます。

●下ひげのない陽線

下ひげのない陽線1下ひげのない陽線2始値がその日の安値というパターン。左図のように上ひげが短く、実体部分が長いと、上昇の勢いが比較的強いことを示唆しています。一方、右図のように上ひげが長いパターンは、天上圏や戻りいっぱいの場面でよく見られます。当初は買いが先行したものの、その後、形勢が変わって下降に転じたことを示していますが、例えば、上昇相場が上値のめどに達し、買い方が利食い売りにかかった場合などに現れます。5の右図のように、実体部分が陰線に転じるようだと、さらに下降の勢いが強いことを感じさせます。

●上ひげも下ひげもない陰線

大陰線始値がその日の高値で、終値がその日の安値というパターン。実体部分が長いほど、下降の勢いが強いことを示唆しており、特に目立って実体部分が長いものを大陰線と言います(短いひげがあるものを含む場合もあります)。

●下ひげのない陰線

下ひげのない陰線1下ひげのない陰線2始値よりも高くなる場面はあったものの、その日の安値で引けるパターンです。左図のように上ひげが短く、実体部分が長いと、下降の勢いが強いことを示唆しています。また、右図のように上ひげが長いパターンは、天上圏や戻りいっぱいの場面でよく見られます。当初は買いが先行したものの、その後、形勢が変わって下降に転じたことを示していますが、例えば、上昇相場が上値のめどに達し、買い方が利食い売りにかかった場合などに現れます。

●上ひげのない陰線

上ひげのない陰線1上ひげのない陰線2始値がその日の高値というパターン。左図のように下ひげが短く、実体部分が長いと、下降の勢いが比較的強いことを示唆しています。一方、右図のように下ひげが長いパターンは、底値圏や押し目買いの好機となる場面でよく見られます。当初は売りが先行したものの、その後、形勢が変わって上昇に転じたことを示していますが、例えば、下降相場が下値のめどに達し、売り方が買い戻しにかかった場合などに現れます。3の右図のように、実体部分が陽線に転じるようだと、さらに上昇の勢いが強いことを感じさせます。

●実体部分がない線

実体のないローソク足1実体のないローソク足2実体のないローソク足3始値と終値が同値のパターンです。左図のように上ひげと下ひげが同じくらいの長さのものを十字線、中図のように上ひげだけが長く伸びているものを卒塔婆、下ひげだけが長く伸びているものをトンボといいます。あまり見かけない形状ですが、相場の転換点や相場が一服する際に現れることがあります。

大陽線・大陰線には注目

   ローソク足の中でも実体部分が目立って長く、ひげがあっても短い線を大陽線・大陰線といい、注目の足です。ただし次のようにいろいろと意味があります。

  • 相場が弱気一色の時にさらに弱材料が出て長い陰線をつけた場合
    買い方の投げ売りが出て、いわゆるセリング・クライマックスを迎えた可能性が考えられます。買い向かうチャンスかもしれません。
  • 相場が強気一色の時にさらに強材料が出て長い陽線をつけた場合
    売り方の踏み上げが出て、いわゆるバイイング・クライマックスを迎えた可能性が考えられます。売り向かうチャンスかもしれません。
  • 上昇し始めて間もない相場で長い陽線が出た場合
    上昇トレンドに勢いが出てきたサインです。ただ、飛びつき買いは禁物。押し目を待つのが無難です。
  • 下降し始めて間もない相場で長い陰線が出た場合
    下降トレンドに勢いが出てきたサインです。ただ、飛びつき売りは禁物。戻り売りが無難です。
  • 下降トレンドにあった相場が急に切り返して長い陽線が出た場合
    長い陽線は基本的に強気のサインですが、売り方が買い戻しに動いただけなのかもしれませんので、十分な注意が必要です。
  • 上昇トレンドにあった相場が急に切り返して長い陰線が出た場合
    長い陰線は基本的に弱気のサインですが、買い方が利食い売りに動いただけなのかもしれませんので、十分な注意が必要です。

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