ボックス相場は勝率が高い

ボックス相場とは

   為替相場が一定のレンジで上下動を繰り返し、横ばいとなっている局面がボックス相場です。形がボックス(箱)に似ていることに由来します。往来相場やレンジ相場と言う場合もあります。ボックス相場から抜け出すことを「放れ」、上方への放れを「上放れ」、下方への放れを「下放れ」と言います。こうした場面はFXでは新規に建玉を持つチャンスとされます。実際、ファンダメンタルズの変化にも注意すれば、高い確率で勝てると言えるでしょう。

ボックス相場

ボックス相場のタイプ

   ボックス相場は大きく分けて次の二つの局面で現れます。

1.中段もちあい

   相場が上昇や下降を続けた後で、一服状態に入った時。市場はまだ同じトレンドが続くと見ているものの、次の新たな材料を待っている状態です(下図のアとイ)。

2.大底と天井

   相場がファンダメンタルズを織り込んで、もう一段の上げ・下げには躊躇を覚えている時。ファンダメンタルズに変化があれば、結果的に底値圏・天井圏となる可能性があります(下図のウとエ)。

ボックス相場のタイプ

ボックス相場の売買手法

   ボックス相場では次の二つの売買手法が考えられます。

1.順張り

   一つは、冒頭で述べたように放れにつく方法です。つまり相場が上下にある抵抗線を抜けた時に参入します(参考記事:ブレークアウト)。いわゆる順張りと言われる手法で、ボックス相場が出現した時にはまずこの方針を考えるべきです。

   というのも、ボックス圏でもみ合っていると相場のエネルギーが蓄積されるからです。時間の経過とともに市場全体のポジションが中立的になり、方向性が定まった時に一機に逆張り組の損切が発生します。そのため、初期の段階で勢いがつき、そのままトレンドが続く可能性が高いのです。ただし、単純にチャートの形だけ見ていてはだましもあります。ですから、新しい材料の出現やファンダメンタルズの変化を伴っていることが必要です。そうした場面に出会ったら、躊躇なく参入しましょう。

2.逆張り

   もう一つは、抵抗線に達した時に反対方向で参入する手法。つまり逆張りです。この方針の成否は、ボックス相場がどの程度続くかにかかっています。新しい材料の出現やファンダメンタルズの変化がなければ、ボックス相場が続く可能性は高いと判断できます。しかし、特段にニュースが出たわけではないのに、ブレークアウトすることもあります。そういう時に備えて、あらかじめ損切か途転(どてん)を行う心構えを持っておくことが欠かせません。

ボックス相場とテクニカル分析

   ボックス相場の最中は、移動平均などの順張り系のテクニカル分析はだましとなることが多いので注意が必要です。と言っても、ボックス相場かどうかはある程度時間の経過とともに分かることです。なので、だましを回避するためには、相場を動かしているテーマや材料の鮮度にも注意しましょう。一方、ボックス相場が続いている限りは、RSIなどの逆張り系のほうが有効と言えます。ただこの方針で臨む場合も、上述したように放れが起こった時に備えておくことが肝要です。

   なお、ボックス相場と似た意味の言葉に「もちあい相場」があります。相場が足踏みをしている状態をさす点では同じですが、もちあい相場のほうが広い意味で用いられます。

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