順張り

順張りとは

   順張り(じゅんばり)とはFXや株式相場の取引手法を指す言葉で、為替相場のトレンド(趨勢)に沿った売買方針で臨むことを意味します。トレンドフォローともいいます。相場が大勢的に上昇しているときは買いから、相場が下落しているときは売りから入ります。つまり、大底や天井を狙わず、そのトレンドが続くと予想して素直についていく作戦です。反対に、大底や天井を取るために趨勢とは逆方向で建玉する手法を逆張りと言います。

順張りの売買タイミング

   順張りで売り買いするタイミングには基本的に次の二つがあります(上昇相場について説明していますが、下降相場でも考え方は同じです)。

  • 押し目を待ち、下がったところで買う。つまりごく短期的には逆張りを行う。仕掛けの主な目途としては、抵抗線となりそうな移動平均トレンドラインまで下がった時、フィボナッチ・リトレースメントで計算される水準などが考えられるほか、より短い足(日足に対する時間足など)でRSIを見て売られ過ぎの状態になっている場合など。
  • 押し目が完了して上昇トレンドへ復帰したタイミングで買う。仕掛けの目途としては、上にあった移動平均を抜いた場合、より短い足で見て底打ちが確認できる場合、新値を更新した場合などが考えられる。

順張り

   具体的に移動平均を使った場合を例にとってご説明します。上図では5日線と25日線を組み合わせています。Aの時点で、直近の戻り高値を抜いたことや25日線が上昇に転じたことでトレンドの転換が確認できます。Bは25日線まで下がってきたので、積極的にいくならここで押し目買いを入れます。より慎重にいく場合は、5日線が上昇に転じたタイミング、日足が25日線を上抜いたタイミング、5日線と25日線のゴールデンクロスしたタイミングなどが考えられます。C、Dも基本的には同じですが、問題はEです。ここでは積極策は裏目になり、慎重策ならだましを回避できたことになります。

順張りのコツ

   積極策と慎重策のどちらが有利かは相場次第です。ただ、言うまでもなく順張りは相場が若ければ若いほど有効です。相場が終わりに近づいている場合はだましに会う可能性も高くなります。しかしトレンドがとれだけ続くかは誰にもわかりません。相場のビギナーは、トレンドが転換したばかりの若いうちに積極策をとりたいものです。

ただし、建玉は一度に行うのではなく、分散して構築しましょう。相場格言にいう「頭と尻尾はくれてやれ」は順張りの有効性を指すものです。トレンドの転換を確認できたときには、すでに底値からある程度上昇しているはずですが、そこは気にしないこと。波動分析でいう第3波の一番おいしいとこをだけを狙いましょう。

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