FXの売買タイミング

売買のタイミングは難しい

   仕掛けがほんの少し早かった(あるいは遅かった)ために、儲かっていたはずの取引で損をしてしまった。そういう経験はFXをしている方なら誰にでもあるでしょう。

   例えば、ドル円で押し目買いの機会を狙っていたとします。RSIなどのオシレーター系のテクニカル分析もチェックした結果、「今がチャンス」と思って買いを入れる。しかし相場は下げ止まらず、含み損がかさんでくる。最初はそのうち反転するだろうと高をくくっていたものの、ジリジリと下げが続き、ついには損切りに至る。ところが投げ売りしたとたんに相場は反転し、力強い上昇を開始。「もう少しタイミングを遅らせていれば儲かったのに」という悔しさが残るという次第です。

   逆に、底値付近で買えたのに決済のタイミングが早すぎて、せっかくの利益を伸ばすことができなかったということもよくあることです。

タイミングを間違わない方法

   結局のところ、FXの損益は売買を行うタイミングで大きく左右されます。ではどうすれば最良のタイミングで売買ができるのでしょうか。結論から言うと、確実な方法というものはありません。しかし次のルールを守っていれば、冒頭で書いたような悔しい思いはしないで済むはずです。

  1. まずは大勢(メイントレンド)に逆らったポジションは建てないことです。日足で売買するなら、週足や月足も必ずチェックし、押し目買い・戻り売りに徹します。つまり長期では順張り、短期では逆張りを行います。
  2. 仕掛けのタイミングを分散させましょう。ただし、漫然と買い下がり売り上がりを行うのではありません。はじめから計画的に資金を分割します。1回で投じる資金は10分の1程度がお勧めです。それでもレバレッジが10倍なら全資金を外貨預金に投資したことと同じです。レバレッジが20倍なら元手から見て2倍のレバレッジが働いていることになります。
  3. 決済のタイミングも分散を基本としますが、買われ過ぎ(または売られ過ぎ)の状態になったりすれば、一括して手仕舞うこともOKです。

   この三つを守れば、建玉のタイミングとして大きな過ちを犯すことはありません。ただし注意したいのは、大きなトレンドの転換点で順張りをしてしまうことです。これを避けるために、長期間継続しているトレンドや加熱気味のトレンドには警戒が必要です。ファンダメンタルズやチャートで変調の兆しがあれば、様子見に回りましょう。仮にチャンスを逃したとしても、損をするわけではありません。チャンスはいくらでも向こうからやってきます。

売買のタイミングでギャンブルしてはいけない

   上記のルールのうち、1はともかく2は資金効率が悪いと思う方も多いかもしれません。しかしFXでは、運よく大勝しても長続きはしません。一攫千金を狙うのなら、それはギャンブルの領域に入ってきます。5年や10年勝ち続けるうえで最大の障害となるのは、ギャンブル志向が頭をもたげることです。

売買の具体的なタイミング

   最後に、トレンドをフォローするなかで建玉を分散させる方法について触れておきます。まずメイントレンドを判断する方法ですが、これはさほど難しくないでしょう。上昇トレンドであれば相場の谷は切り上がっていきますし、下降トレンドであれば、相場の山は切り下がっていきます(参考記事:波動分析)。また、トレンドライン移動平均の傾きで判断することもできます。

   問題は大小様々なトレンドが含まれている中でどれをメインとするかです。この判断は結果を左右しますから重要です。基本的に、日足ベースで売買をするなら週足のトレンドをメインと考えます。時間足であれば、6時間足や日足でトレンドを判断します。もちろん、ファンダメンタルズの変化や旬な材料なども考慮します。

   次に分散建玉の方法ですが、移動平均の短期線と長期線の間を3〜5分割するのも一つの方法です。例えば、短期的には50日線、長期的には100日線が抵抗線となっているとします。この場合は、50日線まで下げたところで1回目、中間地点で2回目、100日線で3回目の建玉を行います。想定以上に下がった時は、基本的には様子見ですが、ケースバイケースで150日線や200日線で建てることも検討します。

   また、オシレーター系を利用する方法もあります。この場合は短期線のRSIなどが売られ過ぎ・買われ過ぎの領域に達したところから建玉をはじめ、2番底や3番底まであったら増しをかけていきます。なお留意していただきたいのは、安易なナンピン(特に大勢逆張りのナンピン)とは区別しなくてはならないということです。自分がベストと思ったタイミングが最初の仕掛け時であり、2回目以降ははずした時のフォローと位置付けてください。

   上記は10分割をベースとしていますが、以下のような現象が起こったら、5分割や3分割を想定して少し大きく建ててもよいでしょう。確率が高いからです。相場は大小さまざまな波動の集合体ですが、複数の波がシンクロしたとき、グッドタイミングとなる可能性が高いのです。具体的な分析方法は「テクニカル分析入門移動平均のクロス移動平均のトリプルクロス」で書いていますので、こちらを参考になさってください。

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