順張りか逆張りか

   順張りトレンドフォローとも言い、、相場が上昇中なら素直に買い方針、下降中なら素直に売り方針で臨む手法。逆張りというのは、相場が高くなるのを待って売り、相場が安くなるのを待って買うという手法。一般的に言って、順張りのほうがリスクは低いのですが、逆張りのほうが当たったときは儲けが大きくなります。どちらの手法がいいかというと、最善の手法は、両方をうまく組み合わせることです。

逆張りはハイリスク・ハイリターン

   中長期スタンスで取引を行う投資家は、安いところを拾って値上がりを待ちたいと考えるので、基本的な姿勢は逆張りの傾向があります。リーマンショックの後に株価が大幅安となったとき、個人投資家の口座開設が急増したのはその現れです。しかし、この行動には大きな問題があります。それは『値ごろ感』が買い出動の背景にあることです。もちろん、バリュエーション評価で買い時と判断した方も多いと思いますが、多くの方は「こんなに下がったのなら買い時だ」と感じたことが最大の理由ではないでしょうか。

   しかし、この値ごろ感というのは相場の大敵です。10年や20年に一度の大相場では「まさかこんなに下げるとは」という水準まで下げます。「半値8掛け2割引き」という言葉がありますが、市場が不安心理に支配されたときは底値の目処などないのです。現物株ならそうなっても塩漬けを覚悟すればよいのですが、証拠金取引であるFXではそうはいきません。最悪、自動ストップロスにかかって大損を被ることになります。

   東京金融取引所が公表しているクリック365の取組みを見ても、一般投資家が逆張りを好む傾向がうかがえます。サブプライム問題が表面化する以前は、豪ドルニュージランドドルなど人気の高い通貨は、値下りすると買い玉が増加し、値上りすると利食い売りで取組みが減るというパターンを繰り返していました。相場が上昇トレンドにあればそれは最高の作戦ですが、相場が一旦逆回転し始めると、最悪の作戦ということになってしまいます。

逆張りとテクニカル分析

順張りか逆張りか

   個人投資家が逆張りを好むのは、RSIストキャスティックなどのオシレーター系のテクニカル分析によるところも大きいように思えます。テクニカル分析の解説では「RSIが30%以下になったら売られ過ぎのサインだから買いのチャンス」などと書かれています。分かりやすい説明ですし、確かにそうなることも少なくはありません。しかし相場はそんなに単純ではなく、RSIが30%を割ってから下げ足が速まることもざらにあります。例えば上図では、Aのポイントで20%程度まで下げていますが、その後も為替相場は下げ続けています。この間、RSIは横ばい状態です。一方、Bでは75%越えで建玉すると目先の天井で売ることができます。ただ、ほどなく反転して(元のトレンドに戻って)新高値を更新する結果になっています。

   テクニカル分析だけに頼って逆張りをしていると、何回か連続で勝ったとしても、はずれたときに大きくやられたりします。「もうそろそろ反発するはずだ」と考えて損切りの決断を先延ばしにしてしまうからです。もちろん、損切りがきちんとできるのであれば、こうした逆張り手法も有効な手法になりえます。しかし、初心者のかたにはお勧めでできないというのが正直なところです。

順張りにも落とし穴が

    さて、逆張りにけちをつける話しばかり書いてきましたが、順張りにも大きな落とし穴があります。それは、へたをすると天井で買い底値で売ってしまうことです。相場でこれほど悲惨なことはありません。相場は熱狂の中で天井を打つと言われるように、誰もが買い安心感をもつようになったとき、そこが天井になるわけです。また、相場の山谷が小さいときやボックス相場のときは、買っては下がり、損切ると反発するという悪循環に陥ってしまうことがあります。

週足に逆らってはいけないが日足には逆らえ

   こうして見ると相場は実に難しいものです。しかしそこはやりかた次第。相場のことですから確実な方法はないのですが、基本的に売買方針は順張り、建玉のタイミングは逆張りというのが最善の方法になります。昔から相場の格言に『週足に逆らってはいけないが日足には逆らえ』というのがあります。週足をみて上げ基調なら買い方針とするが、実際に買うのは日足が下げたときという意味です。週足と日足が日足と時間足の組み合わせになってももちろん同じです。この方針でやっていれば、たとえはずれても傷は浅くてすみます。さらに安全性を高めるためには、相場の波動が若いときを狙うことです。

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