TIPS
TIPSとは
TIPSは米国財務省が発行する債券の一つです。インフレ連動債、物価連動債と呼ばれる種類の債券です。正式名称を Treasury Inflation-Protected Securitiesと言います。インフレに応じて元本と利息が調整される仕組みになっており、5年ものから30年ものまで5種類が発行されています。
TIPSと為替相場の関係
TIPSは為替相場を予想するうえでも重要な指標と位置付けられています。というのも、TIPSの利回りはドル相場と強い相関関係があるからです。TIPSの利回りは、名目金利から期待インフレ率を差し引いた実質金利を表します。言うまでもなく、実質金利は国際収支などとともに為替相場を左右する重要な要因です。しかも、国際収支の影響は長期的であるのに対して、実質金利は日々の相場にも中長期の相場にも影響を与えます。FXにおいては、スイングトレードのような短期取引からバイ&ホールド型の中長期的な投資スタイルまで、最も重要な指標の一つなのです。
- 関連記事:為替相場とインフレ(デフレ)|為替相場と国際収支
TIPSの各種データ
TIPSの利回りやヒストリカルデータなどは、FRBのサイトの中にある以下のページ(英語)で取得することができます。
1.日々の利回り
TIPSの日々の利回り(Interest rate)は「Selected Interest Rates (Daily)」の中の『Inflation indexed』と題された部分で確認することができます。直近5日分が掲載されています。
2.CSVデータ
TIPSのCSVデータを Output.aspx で見ることができます。10年ものの日々の利回りがCSVデータで掲載されており、Excelで開けば(区切り文字にカンマを指定)自由に加工することもできます。もちろんNOTEPADなどのテキストディターなどで開くことも可能です。
3.データのダウンロード
TIPSの利回りデータをダウンロードすることもできます。日次データから年次データまでがあり、各種ファイルタイプが用意されています。まず、Data Download Program へ行き、"Build your package"の囲みにある"Build package"をクリックします。そして以下の手順に従って進んでください。
- 『1. Data set(choose one)』で『Selected Interest Rates』を選んで"Continue"をクリックします。
- 『2. Instrument』で『Select Instrument(s)』の『TCMII』を選んでください(プルダウンで選びフィールド外でクリックすると確定します)。そして"Continue"をクリックします。
- 『3. Maturity』は償還期限なので目的に応じて選択すればOKですが、特になければ10年ものの『Y10』を選んで"Continue"をクリックします。
- 『4. Frequency (choose one)』は集計頻度なので目的に応じて選択すればOKですが、通常は『Bisiness day』を選んで"Add to package"をクリックします。
- "Format package"をクリックします。
- 『Format your package』のページではデータの数量(Observations)または期間(Dates)、ファイル形式、データ見出しの有無、縦/横のレイアウトなどを指定します。指定したら"Go to Download"をクリックします。
- ファイルフォーマットを確認して変更がなければ、"Download file"をクリックします。ダウンロードフォルダに「FRB_H15」で保存されます。