マクラレン・オシレーター
マクラレン・オシレ一夕ー(McClellan Oscillator)は為替相場の分析には利用できませんが、参考までにご紹介します。マクラレン・オシレ一夕ーは株式市場全体の動向を分析するためのテクニカル分析で、下図(中段)が具体例。1本のラインがゼロを挟んで上下動します。具体的な計算式は以下のとおりです。
- ]=本日の値上がり銘柄数−値下がり銘柄数
- マクラレン・オシレ一夕ー=]の19日指数平滑移動平均−]の39日指数平滑移動平均
通常、ダウ平均のような株価指数が上昇している時は、市場全体の値上がり銘柄が値下がり銘柄を上回っています。しかし、そうではない場合もあります。株価指数は上昇しているのに、値下がり銘柄のほうが多いということもあるのです。これは、一部の銘柄が大幅に値上がりしたり、指数の構成銘柄の中でウェイトの高い銘柄が値上がりした影響を受けたことによります。
このように、指数は上昇傾向を維持しているものの、市場全体を検証すると変調が見られるときは、指数も遠からず下降に転じることを示唆しています。また逆(下降から上昇)の場合も同様です。マクラレン・オシレ一夕ーは、こうした事象を視覚的にとらえようとしたものです。
マクラレン・オシレ一夕ーの見方
マクラレン・オシレ一夕ーの基本的な見方は次のとおりです。
- 数値がプラスのときは市場が上昇傾向にあり、マイナスのときは下降傾向
- 数値が極端にふれた場合は買われ過ぎ、売られ過ぎの可能性がある
具体的な使い方としては、以下があります。
マクラレン・サメーション
マクラレン・サメーション(上図の下段)はマクラレン・オシレ一夕ーを加工したもので、通常はこれらを一体で分析します。基本的にはマクラレン・オシレ一夕ーがより短期、マクラレン・サメーションがより長期の分析に用いますが、厳密なものではありません。マクラレン・サメーションの具体的な計算は非常に単純で、日々のマクラレン・オシレ一夕ーを足し算するだけです。例えば、3日間のオシレ一夕ーが10、20、30と推移した場合、サメーションの値は10、−10、20になるわけです。
マクラレン・サメーションの見方はMACDのベースラインの見方と基本的には同じです。
1.マクラレン・サメーションの見方−ゼロライン
ラインがゼロラインよりも上にあるときは、基本的に相場が上昇基調、ゼロラインよりも下にあるときは下降基調にあるときです。また、ラインが下から上へクロスしたときはゴールデンクロス、上から下へクロスしたときはデッドクロスと見ることができます。
2.マクラレン・サメーションの見方−ラインの勾配
ラインの勾配は相場の勢いを表します。急勾配であればあるほど、相場に勢いがあるということです。ですから、ゼロラインを上抜いてさらに急勾配で上昇していれば、もうしばらくトレンドか続くことが期待できます。また、マイナス圏であっても、急上昇している場合には底入れを暗示している可能性があります。
3.マクラレン・サメーションの見方−ダイバージェンス
株価指数が上昇を続けている一方で、ラインが下降に転じることがあります。逆に、株価指数が下降している状況下で、ラインが上昇することもあります。このように、相場とテクニカル分析の逆行現象をダイバージェンスといい、トレンドの反転を暗示している可能性があります。
- 参考記事:ヒンデンブルグ・オーメン
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