ビッド逆指値注文
ビッド逆指値注文(以下、ビッド逆指値)は、注文の執行基準をビッド(顧客側から見た売値)に固定した逆指値注文です。つまり、市場のビッド(売値)が指定レートに達したら、成行注文が執行されるというもの。普通の逆指値だと、それが売注文で使われるのか買注文で使われるのかによって、基準レートが違ってきます。ビッド(売値)の場合もあればアスク(買値)の場合もあります。つまり、売注文で普通の逆指値を使うと、ビッド(売値)が指定レートになったら注文が執行され、買注文だとアスク(買値)が指定レートになったら注文が執行されます。
しかし、ビッド逆指値では全てビッド(売値)に固定されます。ということは、売注文の場合では、普通の逆指値もビッド逆指値も同じことなんです。わざわざビッド逆指値を使う意味はありません。買注文の時に意味がでてくるわけです。ではどんな場合にビッド逆指値は役に立つんでしょうか。基本的には、ごくわずかなスプレッドの影響を受けると言えば、デイトレードのような短期売買です。なので中長期な取引で使われることはほとんどありません。ビッド逆指値が有効なのは例えば次のようなケースです。
ふつう、買注文はアスク(買値)を基準にして執行されます。しかし、何らかの要因でビッド(売値)とアスク(買値、オファー)のスプレッドが大きく開いた場合を考えてみてください。例えば、ドル/円のスプレッドが普段は2銭なのに、何かの原因(雇用統計の発表など)で急に20銭に開いたとしましょう。109.99−110.01円を例にすると、109.90−110.10円になってしまうわけです。もし売り持ちしていて、110.10円に買いの逆指値を入れていたら、執行されてしまいますね。そういうときにビッド逆指値にしておけば、ビッド(売値)=低い方のレートが基準になるので、引っかからずにすむわけです。
ビッド逆指値で注意が必要なのは、執行の基準はビッド(売値)ですが、実際に約定するレートはビッド(売値)とは限らないことです。買いの逆指値をビッド逆指値で行った場合、執行基準はビッド(売値)でも、約定はアスク(買値)になります。上の例では、さらに相場が上昇して110.10−110.30円になると、売値(ビッド)が指定レートに達するので逆指値が執行されますが、約定レートは110.30円です。ふつうの逆指値よりも、執行された場合の損失が拡大してしまうのです。ビッド逆指値は、思わぬスプレッドの急拡大で、自動ストップロスが執行されてしまうことを避けられますが、一旦執行されてしまうと、その悪影響を受けてしまうわけです。
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